【W杯記念!
〜知れば楽しいブラジル音楽〜サンバやボサノバだけがブラジル音楽じゃない】vol.2
ブラジリアン・フォーキー・グループ~ジャイミ&ナイール
ジャイミ&ナイールは、作曲家でアレンジャーで、ギタリストでもあるジャイミ・アレンと、女性ヴォーカリストのナイール・カンヂアによる男女デュオです。
そして、このアルバム「ジャイミ&ナイール」は、1974年に出た彼らのファースト・アルバムです。
同時代のアメリカのシンガー・ソング・ライターやイギリスのフォークの感じをうまく取り入れながら、ブラジルのパーカッションのリズムとうまく融合させています。
ナイール・カンヂアの声は、どちらかといえばやわらかく牧歌的ですが、彼女自身はミルトン・ナシメントやエリス・レジーナ等MPBのミュージシャンから影響を受けたそうで、はじめて人前で歌ったのもミルトン・ナシメントの曲だったということです。
10曲目の「サビアー(ヂガ・ラー)」は、二人のハーモニーが心地よいフォーキーなポップスです。
4曲目の「ネーボア・セッカ」は、ジャイミ・アレンがリード・ヴォーカルをとる、少しAORの雰囲気の漂うナンバーです。
そして、アルバム冒頭1曲目の「ソビ・オ・マール」は、DJアンセムにもなったという、グルーヴ感あふれるナンバーです。
その後も二人は共に活動をしているようですが、このファースト・アルバムが彼らの代表作とも言われている人気の1枚です。当時はブラジルのマイナー・レーベルからの発売であったため、日本でこのレコードを手に入れるのは非常に困難であったに違いありません。先述の「トニーニョ・オルタ」も1990年代頃までオリジナルLPどころか輸入CDさえも手に入れることが困難で、中古盤にはずいぶんの高値がついたという話です。今では、CDも、果たしてはMP3でも入手できるものが多くありますので、ワールドカップを観戦しつつ、この機会にブラジル音楽に広く親しんでみられるのはいいのではないでしょうか。