ジェニーハイ – 29日 ASTRO ARENA
ぎゅうぎゅうに埋まったASTRO ARENA。「NEXT ARTIST」が表示され、「ジェニーハイのテーマ」がかかり、強烈な個性を持つ異業種モンスターバンドの才能が川谷絵音サウンド内で融合する心地よいステージの幕が上がる。
絶妙な振り付けと挙動にはもちろん笑いが起こりつつ、やはり楽曲そのものでは一瞬たりとも目を離すことができない。
も巧みなプロデューサー川谷絵音は楽曲中声を発さない。 MCではくっきー!がメインに進行、カロリー低めなれど切れ味鋭くツッコむ小籔千豊、温かに見守る新垣隆、これら美しいフォーマットもこれからの進展が楽しみで仕方がない。 大きなインパクトを残したCDJ初登場であった。
鈴木愛理 – 29日 MOON STAGE
女性アイドルグループの老舗、ハロー!プロジェクト元℃-uteのエース鈴木愛理のステージも忘れてはならない。ソロ活動はまだスタートしたてだが、芸歴は17年の大ベテラン、稀有な至宝である。 激しい歌唱とダンスをしながら寸分も狂わない強固なピッチ耐性、一瞬一瞬で変化する観客の温度感を即座に感じ取って笑顔の支配空間を築く。さながら名門オーケストラの常任指揮者のような安定感を感じさせるパフォーマンス力の高さ、まだまだ大きなステージに上がっていく期待が持てそうだ。
Poppin’Party – 30日 ASTRO ARENA
ジェニーハイのように異業種ではないが、他ジャンルから初参戦したのは、巨大メディアミックスコンテンツと化した「BanG Dream!」から作中の顔とも言えるバンド、Poppin’Party。 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019に続き夏〜冬連続出演という名誉を残す
上松範康を筆頭とする音楽クリエイターチーム”Elements Garden”全面プロデュースの高品質の楽曲群に、本格的に楽器の訓練を詰ませた人気声優たちがコンテンツの看板を背負い気迫に溢れ情熱的に楽器をかき鳴らし歌う、この姿は心揺さぶられるものがあった。
フロントマンGt./Vo.愛美の終始オーディエンスに寄り添う笑顔と感謝の振る舞いも印象に残った。 ラストは代表曲「ときめきエクスペリエンス!」、5人を応援するムードが最高潮に達しアリーナ席ではサークルも発生、大きな成功を勝ち取ったステージとなった。
NUMBER GIRL – 30日 EARTH STAGE
会場の心待ちの圧力が15分前、10分前と増す中、ステージ上に現れたメンバー4人が短めのリハーサルを終えるとGt./Vo.向井秀徳が「それでは来週お会いしましょう」と小ジャレを飛ばし一旦ハケる。 宗教的にさえ見えるほどの独自の世界観を持つNUMBER GIRLは、現在の邦オルタナの方向性を決定付けたと言っても過言ではない、そのエモーショナルなギターフレーズとコード進行に圧倒されるが、しかめっ面でドライな向井のボーカルは我々を楽曲のビートに一気に引き込んでくれた。 メンバー間のセッティング距離の近さも、心を鷲掴みにする距離感なのかもしれない。 福岡市博多区まで届くような熱いActであった。