CittY

流線形’14

70~80年代のニューミュージックを今によみがえらせる4人組 CittY

今を感じさせるのに懐かしくもあり、明るく爽やかだが何故か切ない――。都内のライブハウスを中心に活動する4人組 CittY(シティー)の音楽は、こうした相反する感覚がミックスされているところが最大の特徴であり魅力となっている。 このたび、彼らにとって初めてとなる全国流通盤『流線形’14』が発売された。リーダーの岸田小石は、常に自分自身が「気持ちいい」と思うポイントに忠実に曲を書いてきたそうだが、松任谷由実の6枚目『流線形’80』(1978年作)を思わせるアルバム名からわかる通り、岸田が「気持ちいい」と感じるのは、ユーミンをはじめとする70~80年代の「ニューミュージック」と呼ばれた音楽だ。しかし、CittYが他の同傾向のバンドとは大きく異なるのは、昔のサウンドの再現に終わらず、そこに独自の解釈と現代的なエッセンスを加えて、冒頭に書いた感覚を味わえるように仕上げている点である。 新作『流線形’14』に収録された曲は、どれも爽やかで耳に心地よい。とはいえ、じっくり聴いてみると、どんなにソフト&メロウな曲調でも、ロック的なダイナミズムがしっかりと感じられる。正確なタイム感を持った森亘の力強いドラミング、ツボをおさえたプレイが光るけんたろうのギター、ポール・マッカートニーのように派手に弾きまくる岸田のベース、そしてグミの安定感のあるボーカル。たくさんのライブ経験で培われた各メンバーの確かな演奏力・表現力は、楽曲を更に美しく魅力的なものにしているのだ。 2014年7月13日(日)には、東京・代官山の「晴れたら空に豆まいて」で、『流線形’14』発売記念ライブが行われる。彼らの生の音はCD以上に熱く勢いがあって聴きごたえは十分。一度はチェックしておいて損はない。「僕の人生の中には思い出とリンクした曲がたくさんあります。今度は自分たちの音楽が誰かにとってそういうものになってくれたら嬉しいです。CittYの演奏を是非聴きに来てください」(岸田)。 MV「Ballad Ballad」 ☆CittYオフィシャルホームページ http://www.ac.auone-net.jp/~citty