21世紀に蘇った、70年代ロックの輝き

「スティーリー・ダンとポール・マッカートニーへの、憧れを強く抱いて･･････彼は、帰ってきた！時間を超越した12の楽曲を携えて。」（原文:フランス語）

70年代ロック・ファンへ、的を絞ったメッセージが熱い上記宣伝文。これは、ガイスターの新作リリースを伝えるもの。ガイスターとは仏人シンガーソングライター、ガエル・ベンヤミンのプロジェクトです。本作は通算5作目となります。

ビージーズ、ウイングス、10cc、バークレイ・ジェイムス・ハーヴェスト、イエス、アトール･･････様々な面影が現れては消える、陶酔の41分。AORマニアであるガエルならではの、ロマンティックな感性が生かされたミディアム・ナンバーと、ストーナーにも通じる現代的なヘヴィネスを加味した、ハード・ロック・ナンバーが、絶妙に配置されており一気に聴かせます。エッセンスを余さず抽出しつつ、1曲平均3分台にまとめた構成力も見事。

フランスならではの、オリエンタルな旋律を奏でるシンセサイザーと、甘いヴォーカルを包み込む、荘厳なコーラス・ワーク。ツボを把握した「同志」でしか作り得ない理想郷が、ここにあり。70年代ロック・ファンはもちろん、ノスタルジックな音楽を愛する、全ての皆さんにおすすめします。