COUNTDOWN JAPAN 18/19 ライブレポート 2018年12月28日・29日・30日・31日/幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホール 【1:今回も大盛況だったライブを味わう大忘年会 by 石井由紀子】 |
12月28日から31日まで、千葉県の幕張メッセで開催された、COUNTDOWN JAPN18/19(以下CDJ)。公式アナウンスによると、4日間の合計動員人数が18万8,000人と、国内最大級の年越しフェスだ。15回目を迎えた、このフェスの魅力の一つは、会場へ向かう参加者の表情だと思う。2018年のやるべきことを納めた人々の表情は、笑顔と共にどこかスッキリしたような印象を受ける。世間の忙しさと離れ、充実した様子の人たちからは、幸せが溢れている。私も、幸せのお裾分けを貰いながら、会場へ向かった。 会場には、惑星や星、銀河のようなイメージのオブジェと共に、餅花やしめ縄など、お正月らしい飾りも並ぶ。写真を撮ったり、SNSに投稿したり、食事を楽しんだりと、多くの人が思い思いの時間を過ごしている。夏フェスとの違いは、食べ物やオブジェから見える“お正月感”。それと、観覧ステージの移動時に感じる空気の冷たさと、会場内の熱気の“寒暖差”。屋外でなくても、五感で季節を味わいながら、楽しく過ごせるのだ。 今回のフェスに参加して観たライブの中からレポートです。 |
2019/1/20 |
King Gnu - ASTRO ARENA | ||
28日にASTRO ARENAで行われた、King Gnu。CDJ初登場の彼らのライブは、短い時間ではあったが、魅力がぎっしり詰まったものだった。ステージに上がった際の立ち居振る舞いは、冷静な感じもするのだが、ライブが始まった瞬間から発せられる熱量は凄まじい。観客は手を上げたり、踊ったり、一緒に歌ったりしながら、彼らの作り上げる世界の住人になっていく。「Flash!!!」からラストの「Vinyl」まで、その勢いは止まらず、King Gnuの音楽に心を奪われる。2018年デビューのトーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイルバンドは、時に激しく、時に美しく、聴く人の心を揺さぶる。ひとつのジャンルでは語りつくせない音楽、ヒリヒリとするくらい追い詰めるような歌詞、コーラスの美しさ。どれを取っても、聴く人を高揚させるライブだった。 | ||
また、ライブごとに音源とは異なるアレンジを加えてくるので、その時しか味わえない演奏が繰り広げられる。それもまた、彼らの魅力だ。2019年は、全国ワンマンも行うKing Gnu。 これからの活躍に、目が離せないバンドだ。 |
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THE BAWDIES - GALAXY STAGE | ||
29日、GALAXY STAGEで行われた、THE BAWDIESは、“ハッピー”という言葉がピッタリなライブだった。2018年最後のロックンロールパーティーは「NO WAY」からスタート。会場を揺らすロックサウンドが響き渡り、観客は踊り歌い、手拍子で応える。ステージと観客が一体となり、パーティーは更に熱を帯びていった。楽しいことをしているから、一緒に盛り上がろうよ!と言わんばかりに、パフォーマンスを続ける彼ら。ライブの様子を遠くで観ている人たちも、自然と手を挙げて笑顔にしてしまう。CDJで2番目に大きなステージ、GALAXY STAGEが幸せな雰囲気に包まれていった。 | ||
The Beatlesの名曲「Here Comes The Sun」を彷彿とさせる「HAPPY RAYS」が始まり、より幸せな空気が会場に流れる。ハッピーを伝播させていくチカラを持つバンドが、THE BAWDIESなのだと、改めて思った瞬間だ。もちろん、笑いの要素も盛り込まれ「HOT DOG」に入る前の寸劇では、観客を爆笑させる。そして、待ちに待った「HOT DOG」が披露され、その後も立て続けに曲を披露し、ラストは「KEEP ON ROCKIN’」。ステージも観客も笑顔で溢れる、最高のパーティだった。 バンド結成15周年となる2019年も、多くのライブで観客を笑顔にすることは、間違いないだろう。 |
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KICK THE CAN CREW - GALAXY STAGE | ||
同日、同じくGALAXY STAGEでライブを行ったのが、KICK THE CAN CREWだ。親子連れから、アラフォーに近い年代、20代や10代と思われる若者まで、本当にさまざまな観客がGALAXY STAGEに集まっていた。登場した3人の衣装は、個性が出つつも、服の一部に同じ柄が取り込まれているなど、シンクロしたものだった。このことが、KICK THE CAN CREWが揃って登場していることを、さらに実感させてくれるようで嬉しかった。 | ||
「千%」から始まったステージは、新旧のヒット曲を織り交ぜた、まさフェス仕様のセットリスト。私自身、ゼロ年代にKICK THE CAN CREWのステージをフェスなどで観て、CDも聴いて、と楽しんでいた世代だ。この世代であれば、おそらく勝手に楽しく盛り上がるのだが、今回はフェス。大きなスクリーンに、手を叩くタイミング、コールアンドレスポンスで言って欲しいことも、映し出される。KICK THE CAN CREW初心者も一緒に楽しくライブに参加できる仕組みが散りばめられていて、みんなでステージを作り上げていく楽しさを味わうことが出来た。ライブが進むごとに、どんどん人が増え、気が付けばGALAXY STAGEの最後方まで人が集まり、みんなで「住所 feat. 岡村靖幸」のコーラスパートを歌いながら盛り上がる。途中で、MCUのズボンのボタンが全部外れてしまうという、爆笑ハプニングを挟みながら「イツナロウバ」や「アンバランス」などを披露。 アラフォー世代と思われる観客が熱く歌っている姿が見られた。 | ||
ラストは「マルシェ」で大団円。コールアンドレスポンスで盛り上がり、2018年を楽しく締めることが出来るライブだった。ライブ終わりに、20代くらいの若いカップルが「初めて観たけど、カッコいいね。楽しかった!」と言っていたのが、印象的だった。世代を越えて、今まで知らなかったアーティスを楽しむことが出来る、フェスの醍醐味をまさに体現するようなライブだった。 |
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今回も、会場は多くの人で埋め尽くされ、ステージから漏れ聴こえる音楽に耳を傾けながら、食事をしたり、写真を撮ったりと、非常に楽しそうな空気が流れていた。 2003年の第1回開催から今回までで、延べ動員人数が200万人を突破をするなど、もはや年末の風物詩となったイベントだ。親子2代、いや将来的には親子3代で、フェスの楽しさを共有できる時代も来るかもしれない、と思う2日間だった。 石井由紀子 フリーアナウンサー。TBSラジオでの音楽紹介や、雑誌・Web媒体でのレコメンド記事を執筆しつつ、足繁くライブハウスに通う音楽ファン。初回のCOUNTDOWN JAPAN03/04からフェスは参加している、フェス大好き人間。おひとり様フェスが常態化している。 【2】へ >> |