ハートウォーミングな歌声と、 フィンガーピッキングを駆使した繊細なギター。
その佇まい、ジョン・マーティンの如し。
ブリティッシュ・フォークの伝統を受け継ぐ新星、ピート・ロウ。本日は彼の1stアルバムをご紹介します。
ピート・ロウはロンドンを拠点に活動する、自作自演のフォーク・シンガー。ローラ・マニング(注1)のセッション・ミュージシャンとして、ギター、オルガン等を担当しています。ちなみに副業はリード・オルガン(ハーモニウム)の修理士とのこと。それらの仕事をこなしながら、ソロ・ミュージシャンとして2枚のEPを制作。今年、ローラ・マニングの最新作『ONCE I WAN AN EAGLE』のレコーディング終了後から、自身初のフル・アルバム制作に着手し、無事完成となりました。
本作は、プロデューサーにローラ・マニングの諸作品を担当したイーサン・ジョーンズを起用。またバックバンドにはナッシュビルのフォーク・グループ、ホット・フィート・バンドを迎え制作されています。バンド・メンバーは以下の通り。ロス·ホームズ(フィドル)、アンディ·ロウ(コントラバス)とマット·メネフィー(バンジョー)。
ピート・ロウはアイルランド民謡から、カントリー、アメリカーナなど1930年代まで遡って、ルーツを研究。マイナー・コードを多用した暗く叙情的なメロディは、米国シンガー・ソングライターの影響を感じさせる、親しみやすさも兼ね備えており、日本人の琴線に触れることでしょう。アルバムでは彼のギターと歌を中心に、ホット・フィート・バンドの伴奏と、曲によってはピアノ、リード・オルガンを加えています。
「There Has To Be A Reason 」
こちらはイギリスのテレビ番組での演奏。余韻が美しいフィンガーピッキング。そして、訥々とした語り口から、振り絞るようなサビでの歌唱。英国フォークの素晴らしさを再確認出来ます。
最後に入手方法ですが、只今日本では流通していません。ダウンロード、もしくは海外通販をご利用ください。また「お願い、ピート・ロウを仕入れて。」と、ショップに直訴することもおすすめです。そう、日本にピートを広めるのはあなたなのです!
※注1
ローラ・マニングは、21世紀の英フォーク・シーンを代表する自作自演歌手。
英国の音楽賞、マーキュリー・プライズの常連ノミネーター。