NEWS > 2016 > COUNTDOWN JAPAN 15/16 / ミュージックソムリエが見た現地の様子とは?【3:石井由紀子】


COUNTDOWN JAPAN 15/16
ミュージックソムリエが見た現地の様子とは?
2015年12月28日・29日・30日・31日/幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホール


2016/01/29


【3.12/28〜29レポート by 石井由紀子】
多くの人に愛される日本最大のカウントダウンイベント




バンドからアイドルまでさまざまなジャンルのアーティストがのべ80組集まり、ライブを繰り広げる。日本最大のカウントダウンイベントだ。友達同士や、職場の音楽好きの同僚と来る人もいれば、親子や家族で楽しむ姿も見受けられるなど、参加する観客の楽しみ方も多種多用だ。
また、宇宙をイメージした会場内の至るところには、オブジェも飾られていて、多くの人が記念撮影をしている。屋内ではあるが、フェスらしい自由な雰囲気が漂っている。

今年もまた、ミュージックソムリエ協会では、当日の会場でフェス体感してきた。各日の雰囲気と共に、いくつかのライブの様子をご紹介していきたい。

12月28日 / 早々と冬休みに突入している人が集まる 音楽忘年会の初日


2015年12月28日、COUNTDOWN JAPAN 15/16の初日。幕張メッセ周辺は、フェスに向かう人たちと、幕張のオフィス街で働く人たちが入り混じる少し不思議な景色が広がっていた。フェスに向かう人たちの表情は、晴れ晴れとしている。2015年の音楽イベント総仕上げといった感じの人が多く、腹ごしらえをした後はライブをジックリ観るといった感じの人が多い印象がある。


赤い公園 (COSMO STAGE)


開演と共に流れてきた音楽は、映画「男はつらいよ」のテーマ曲、「男はつらいよ」。バンドごとに、さまざまな登場曲があるけれど・・・と、何とも不思議な感じが漂いながらスタートした曲は、「KOIKI」。 “小粋な人=寅さん”というKOIKI繋がりで、選曲をしたそうだ。 白いトレンチコート型のワンピース姿の4人の演奏が始まり、ボーカル佐藤千明のハイトーンにバンドサウンドが絡み合っていくと、観客も歓喜の渦に巻き込まれていく。赤い公園のライブは、もちろん熱気に溢れているのだが、元気いっぱい盛り上がる!というよりも、ドロっとしたものが横たわっているように感じる。決して、暗くジメジメしているのではない。熱気の底に何かが、うごめいているような感じがして、私はとても好きだ。「絶対的な関係」など変拍子のトリッキーな曲から、「NOW ON AIR」などの胸に来る甘酸っぱい曲まで、演奏ごとにイロイロな表情を見せてくれる。ラストは「ふやける」で締め、ノイズと美しいメロディが織り交ざる30分余りのステージは終了。 熱気と、その底にある何か不思議なものを十分に堪能できるライブだった。


藍井エイル (ASTRO ARENA)


ライブが始まる前から、ステージ前には青色のサイリウムが輝く美しい光景が広がっている。14時50分、ついに藍井エイルが登場。観客席から鳴り響く地鳴りのような野太い声援を掻き切る、重めのバンドサウンドとパワフルな歌声が響き渡る。写真などから勝手に抱いていたクールビューティーな印象は吹っ飛び、テンポの速いロックサウンドと観客を煽りながらも、力強く歌いステージを縦横無尽に駆け回る藍井エイルの姿に圧倒される。 初のCOUNTDOWN JAPANへの出演。しかもアニソンを中心に活躍をしているので、少しだけアウェイな感じもあるのかと思いきや、まったくそういうものはない。完全にホームのような雰囲気でのライブは、どんどん進んでいく。最新シングル「シューゲイザー」やロングヒットしている「ラピスラズリ」など、次から次へと繰り出し、テンポの速いバンドサウンドも、難なく歌い上げる藍井エイルは本当にカッコイイ。2015年に武道館ライブを成功させた彼女。2015年のライブ納めでも観客を熱狂の渦に巻き込み、あっという間にライブは終了。アニメ系のイベントではないステージでも、その実力をシッカリ見せつけてくれた、魅力あふれるステージだった。


◆BABYMETAL (EARTH STAGE)


ついに彼女たちが、COUNTDOWN JAPANへ出演する。一番大きなステージ、EARTH STAGEには、BABYMETALのTシャツに身を包んだ人々が続々と集まって来た。神バンドのサウンドチェックにも湧き上がる観客を見ると、ライブへの期待の高さが伺える。それから数分後、アーティスト名がスクリーンに映し出された瞬間から、会場にどよめきが起こり、観客はメロイックサインではなく、キツネサインを掲げる。重音に乗る、SU-MEATLの澄んだ歌声が美しい。そしてYUIMETAL、MOAMETALのダンスとそれぞれが魅せる世界に、あっという間に惹きこまれる。「ド・キ・ド・キ☆モーニング」からスタートし、観客のテンションは高まる一方。その後も「ギミチョコ!!」などポップなものを繰り出しつつも、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」など重量感のある曲や「メギツネ」といった和テイストも感じられるものまで、次から次へと繰り出す。バンドサウンドの重厚感もさることながら、3人のパフォーマンスも食い入るように見入り、気付けば虜なってしまう。さすがは、ワールドツアーやさいたまスーパーアリーナなど大きな会場でも多数のライブを経験しているアーティストだ。すべてのMCが英語で行っていることにも驚く。あっという間に、その魅力に引き込まれ、気付けばみんなが汗だくになって歓声を上げていた。さすが、としか言いようがない、素晴らしいライブだった。


12月29日 / 混雑ぶりからも分かる会場の熱気と期待値


この日によく見かけたTシャツには、可愛らしい白いネズミのイラストが描かれている。2015年、話題をかっさらった、キュウソネコカミTシャツだ。まだまだカウントダウンまでは、60時間以上あるが、会場は忘年会ムード。昨日よりも人が多く、混雑し始めた。昨日に仕事納めをして、やっとこさ自由の身になった、といった感じの人たちも多く見られる。仕事を納めてスッキリした笑顔が印象に残る、29日の会場だ。


キュウソネコカミ (GALAXY STAGE)


会場の入り口から左手方向、GALAXY STAGEに向かう幕張メッセの2階の廊下には、長蛇の列が出来ていた。50メートルくらいの行列が何重にも折れて人で埋め尽くされている。まるで、舞浜にある夢と魔法の王国のアトラクションに並ぶ行列のようだが、この日みんなが楽しみにしていた”マウス”は、いろいろな物に噛み付くキュウソネコカミなのだ。入場規制がかかるパンパンの会場内、黒山の人だかりのずっと先に、キュウソネコカミはいた。「ファントムヴァイブレーション」のイントロ音が流れると、会場からは轟音のような歓声があがる。”スマホはもはや俺の臓器”の大合唱が起こる。一緒に歌いたくてしょうがない、そんな雰囲気が会場に溢れていた。シンセサイザーの心地よい音とバンドサウンドが会場を包みこみ、もの凄い勢いで世の中のものに噛み付く。新曲の披露なども含めたおよそ40分のステージ。途中で会場を抜ける観客もほぼいない。圧倒的な存在感を見せつけるものだった。もう、GALAXY STAGEでは狭いように感じる。来年は、更に大きなステージでライブをすることを確信した。


THE ORAL CIGARETTES (GALAXY STAGE)


10代後半〜20代前半くらいの若いロックファンに好きなバンドを尋ねるた時に挙がってくるのが、THE ORAL CIGARETTESだ。声帯手術を終え、万を持してのステージ。「起死回生STORY」で、最初から盛り上がる会場。揺れる人の頭が大きな波のように、会場を包み込んでいた。山中拓也の伸びやかな歌声が、とても心地よい。そして高いキーでは色気も感じる。ファンクの雰囲気も感じられるリフに乗せて歌うロックに、10代の女の子たちが幸せそうな笑顔を見せながら踊っている。とても良い眺めのライブだった。2016年1月5日には、セカンドアルバム「FIXION」が発売した。2016年も年始から攻める彼らの活躍がとても楽しみになるステージだった。


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石井由紀子 ミュージックソムリエ
フリーアナウンサー。TBSラジオでの音楽紹介や、雑誌・Web媒体でのレコメンド記事を執筆しつつ、足繁くライブハウスに通う音楽ファン。初回のCOUNTDOWN JAPAN03/04からフェスは参加している、フェス大好き人間。おひとり様フェスが常態化している。

酒井康平 (さかいこうへい) ミュージックソムリエ
元音楽プロダクション勤務、現ネット会社のエンタメ部門に所属する30代♂。よく聴く音楽は60年代ソフトロックと松田聖子。最近のマイブームは90年代ディズニー映画第2黄金期を支えたアラン・メンケンの楽曲分析。学生時代はクラシックを専門にし、日本のロックはどのアーティスト、どの曲から入って良いか分からないまま生きてきた過去を持つ。2013年に"音楽フェス童貞"卒業を果たし、少しずつ音楽フェスに顔を出すようになる。いつか涼しい顔でタイムテーブルを語れる日を夢見ている。



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